プレオーガニックコットンの歩み

クルックは環境に配慮した製品とサービスの提案を通して、サステナブルなライフスタイルを促進しています。2007年、クルックは国内で流通するオーガニックコットンの約30%を消費し、オーガニックコットンの国内最大の消費企業となりました。ですがクルックは、オーガニックコットンが本当に良いのか、一つの流行に過ぎないのかわかりませんでした。そこでクルックはオーガニックコットン製のTシャツが社会にとって本当に良い影響を与えるか確かめるために、伊藤忠商事繊維カンパニーと共にコットンの生産国インドを訪れました。クルックは先進国の消費者として、サプライチェーンの原点である生産現場を理解し現地の課題に取り組むことは、世界をより良い場所に変えるチャンスであると信じていました。

インドを訪れたクルックと伊藤忠は、コットンの農家が素手で農薬を扱う様子を見ました。農薬は大地に大量に流れ込み、その水を農民は飲料水として使用します。中には、深刻な健康被害や皮膚病を発症している農家の方々もいました。さらに、栽培に必要な農薬や種子を買うための資金的な負担は多く、借金をする小規模農家がいることもわかりました。

「なぜオーガニック栽培を始めないのですか?」と農家の方々に質問した時、農家の最大の課題として、オーガニック栽培を開始してから認証を受けるまでの2年~3年の期間は、コットンの生産量が減る危険性があることを知りました。この時、私たちは農家の方々がこのような健康や経済面での負担なくコットンを栽培できる仕組みを構築する必要性があることを強く感じました。そこで私たちは、農家にとって最大の障壁となるオーガニック認証を得るまでの移行期間、農家を支援する仕組みを考えました。それが、プレオーガニックコットンプログラムです。

クルックは志が同じ伊藤忠商事テキスタイルカンパニーと共にこの事業を育てることを決めました。プログラムの開始以降、何千人もの農家がオーガニック栽培への移行を体験しています。